F1 イタリアGP 決勝

今宮氏によれば「昨日の夜から雨が強く降っていた。朝方いったんやんだが、10時から11時まで再度降ってしまった。すでにやんでいるがセクター2など、日当たりの悪い場所について路面は乾ききってはいない」とのこと。タイヤ選択も見所になった。

スタート直後、4位スタートとなったルノーアロンソがいつものすごいスタートでミハエルとモントーヤをかわし、トップのバリチェロを脅かすがなんとかバリチェロがおさえる。ミハエルもブレーキングが遅すぎて、しかたなくシケインをショートカット。佐藤琢磨とバトンはスタート後の加速が悪く、琢磨はライコネンにいったんかわされそうになるが、深いブレーキングで何とかおさえる。

しかし、琢磨は2番目のシケインで、ライコネンに並ばれ、行き場を失ってシケインをショートカットしてライコネンの前に出てしまったため、ペナルティを受けないようにライコネンに譲る。このときスロットルを戻したために、スピードを失いバトンにも並ばれてしまい、さらに順位を落とす。続いてさらにマッサにも抜かれる。

レース後の佐藤琢磨のコメントでは、このショートカットによるランクダウンが大きかった、と言っていたようだ。そのとおりだと思う。

直後、ミハエルがスピンするなどの大ハプニングが発生したが、運良くリタイヤはしない。
スタンダードウェットでスタートしたバリチェロのペースを3周目でアロンソが大幅に抜いてしまったため、バリチェロが早々にピットイン。
この時点でフェラーリ2台とも後方に沈み、いつもと違う結果になるかと小さな期待が生まれたが、結果はフェラーリ内の順位が代わっただけだった。

フェラーリ速過ぎ。レース途中で他チームのマシンと1秒以上ラップタイムに差があるとは。これでは相手にならない。

後半、すばやいピット作業で、佐藤琢磨の前に出ようとしたシューマッハだが、シケイン入り口では佐藤琢磨が強気に抑えた。しかし、深く進入したために脱出速度が伸びず、その後シューマッハオーバーテイクされる。BARはダウンフォースを多めにつけないと空力性能が発揮できないタイプのマシンらしく、たぶん現在最高出力を誇るホンダエンジンを持ってしても最高速度は全マシンで中段あたり。そういう意味で、フェラーリを抑えることはバトンも含めて完全に無理だったろう。

ミハエルの、佐藤琢磨に次ぐ獲物はアロンソルノーのマシンは、BAR と違ってスピードが出ているのだが、プレッシャーのためかシケイン入り口でスピン。グラベルにつかまる。エンジンは止まってなかったので、アロンソはマーシャルに押してくれとジェスチャーで強くアピールするが、マーシャルはまったくその様子を見せず、すぐにクレーンが近寄ってくる。結局あきらめたアロンソはマシンを降りた。マーシャルの一人がアロンソのひじのあたりに触って、退去場所を教えようとするが、アロンソはメンチをきって、振り払って不快感を表す。その後、ガードレールに蹴りを入れる。日本のプロ野球で同じようなことして今期絶望になった選手がいたなあ。アロンソ気をつけてね。

劇的なレースの結果は、劇的ではなかった。フェラーリの8回目?のワンツーフィニッシュ。
ただ、表現が悪いが、バリチェロの優勝は、なんだか「おあずけ」をくらい続けていた犬が、最後に餌をもらった感じだ。

琢磨はラップタイム的にはバトンと遜色ない走りができていたようだ。本人のコメントどおり最初のランクダウンが痛かった。しかし、結果的に4位にまとめたことはセカンドドライバーとしては十分の働きだと思う。ただ、今回も目立つように、アグレッシブでオーバーテイクするのは上手いが、守りが弱いところがある。いったん抜かれると、連続して抜かれてしまう光景が多いように感じる。ただ、これは経験の問題なのかもしれない。