義理の従兄弟の結婚式で香里園へ

香里園にはヨメも一度も行ったことがないとのこと。なんとなく品のよさげな地名なので、端正な町並みを期待していた。しかし、駅裏に出たこともあったのか雑然とした雰囲気。

交通安全祈願で有名な成田山不動尊があるらしく大きな看板があるのだが、なぜか真昼間なのに、駅前を爆音で走り散らす珍走野郎が一台。交通安全祈願したので、心おきなく珍走できるのだろうか。駅前側から音が近づいてきて近くまで来たところを見ると二人乗り。彼らが他人を巻き込まず早めに生涯を終えてくれることを成田山に祈りつつ式場へ。理性的ではないが、暴力団珍走団に対しては本当に何の慈悲も感じない。自分自身の心の闇を感じるひとときだ。
初めてきた場所だが、珍走団で印象は最悪。香里園といえば、日曜日の真昼間に珍走団が駅前を走っている町、という定義が頭の中にできてしまった。

駅からすでに見えていた町並みに不釣合いな建物に近づくと、そこが今日の結婚式と披露宴の会場だった。ウェストミンスターパーク ヴェルジェ。披露宴は「ウェールズ」の間、式は「ウェストミンスター大聖堂」でおこなわれる...。

http://www.verger-kohrien.com/

香里園のウェストミンスター大聖堂という取り合わせは、まるで天下茶屋のバッキンガム宮殿とか、駒川中野のルーブル美術館のようで、ある種ラブホテル的キッチュ*1な雰囲気を濃厚に漂わせているわけだか、そんなことめでたい席で言えない、言えない。宴会場も式場も下手なホテルよりよくできているし、従業員のサービスも徹底しているからこのラブホテル的な意匠がもう少し和らいだものになれば、決して貶されるようなものではない。惜しい!という感じ。

なぜか、一般的に式場でおこなわれる親族紹介が控え室でおこなわれた。「大聖堂」使用の回転率を上げるためだとわかった。他にも大聖堂の回転率をあげるための小技があって、式場で通常二回歌われる賛美歌が一回になっており、しかもフルコーラスでなくワンコーラスで終わってしまうのだ。これはびっくりした。また、新婦、新郎の退場の時に、急にお立ち台にのぼる二人のスタッフ。何が始まるのかと思ったら、トランペットで結婚行進曲を元気よく吹き鳴らす。たまげました。

しかし、詰めが若干甘いのではないか。カソリックの雰囲気まんまんの聖堂なのに出てきたのがニコラス「牧師」。金髪長身でぴったりの役だが、カソリックの教会で「牧師」はまずいのでは?それに、普段は英語学校の教師かな、なんて想像してしまう。どう思ってるんだろう。彼らはこういう日本のなんちゃってチャペルウェディングを。
結婚証明書への署名も、普通は祭壇に向かっておこなうと思うのだが、見事にショーアップされており、神様にお尻を向けて、参列者に向かって署名するのだった。

教会自体はよくできている。大きな教会だし、調度もそれらしい。「大聖堂」というのは、ちょっと過剰な表現であるのは確かだが。ヴァージンロードも長いので、変な歩き方をして時間稼ぎをしなくていい。ただ、容れ物が立派に、それらしくなればなるほど、たぶん本物との違いが気になるのだ。これが結婚式場のなんちゃってチャペルなら、あくまで「ごっこ」だと思ってあきらめもつくのだが。

続いて「ウェールズ」で披露宴。とにかくよくできている。内装も決して悪くない。宴会場の手前にサブホールがあるつくりもとてもいい感じだ。たぶんリッツカールトンなど小さいホールがつながる室内の構成を参考にしたのではないだろうか。三回のお色直し。新婦の涙。などを経てお開き。食事もなかなかおいしかった。とにかくおめでとう。ただ、まあ、これからだよね。本番は。

*1:死語か…