F1 アメリカGP ミシュラン勢ボイコットについて

今まで読んだ中でもっとも納得させられた意見。問題の本質を突いている上に、バランスが取れていると思う。こんな文章が書けるようになりたいものだ。

F1記録集 掲示板 (http://6619.teacup.com/f1kiroku/bbs) の「一夜明けて。  投稿者: 一愛好家として  投稿日: 6月21日(火)04時35分37秒 h001.p283.iij4u.or.jp」

レースをボイコットしてドライバーの安全を確保する選択は一見美徳のように思えますが、実際のところは体のいい口実で、負けは負け。走っても走らなくてもBS勢に負けるのなら、最終コーナーの速度を制限して、ペナルティ覚悟で手持ちのタイヤをマネージメントしてでも走って、MI勢内で7,8位争いをするのがファンに対する最良の態度だったでしょう。棄権は、それでさえ安全を確保できない場合の次善の策です。

全くもってそのとおり。

例えば大相撲で、幕内力士の半数が故障で土俵に上がれない事態に陥ったとしましょう。このとき多くの部屋が団結して、大相撲協会に対して「これではまともな興行ができないし、武道館に足を運んでくださるファンに申し訳ないから、今場所に限って、”手をついてもOK、土俵から押し出されない限りは負けではない”とルールを変更しましょう。そうすれば、故障したうちの力士でもなんとか土俵に上がれますから」と協議ルールの変更を談判したらどうでしょう? ちゃんと体調を管理して土俵に上がってきた力士にすれば迷惑以外の何者でもありません。何故にそのような不利な提案を承諾しなければならいでしょうか。

この喩えわかりやすい。

しかしながら、MI勢を弁護するべき材料もあります。週末に使えるタイヤの本数を低く設定しすぎる現行のレギュレーションは、タイヤのサプライヤーに対して技術評価の機会を十分に与えているとは言い難いでしょう。決勝でのタイヤセットは1つでも、フリー走行でのタイヤ制限は無制限とはいかないまでも、もう少し十分な数のセットを試す機会を与えるべきだとは思います。 

たしかに、今年のレギュレーションは、今回の事件を起こした要因のひとつではあると思う。しかし、すべてではない。つまり、少なくとも直接的に今回の件に対して FIA の責任を問えないはず。

また今回のMI社の、自社製品の安全性に対する情報開示は、当然とはいえ(F1にタイヤを供給しているメーカーとしては決定的に屈辱的な情報開示であるだけに)メーカーの姿勢として評価されるべきだと思います。
それだけに、ミシュランユーザー各チームが、”妥協案”と称して、足並みを揃えて競技ルール変更をゴリ押しで通そうとした態度は、たとえそれが今後に対する戦略の一環であったとしても残念でなりません。

ミシュランが自社に対するマイナスの評価になることを承知で安全を最重視した対応をおこなったことは、私も評価できると思う。

ミシュランの態度よりも、ミシュランユーザー各チームが多数を嵩にきてアンフェアな態度を取ったことが最大の問題だと思う。