理容店で意識を失い救急車で病院に運ばれた

会社の帰り、行きつけの理容店で散髪した。ひととおり終わってドライヤーで髪を整えてもらっていたら、気分が悪くなった。じっとしていられなくなって「すいません」と言ったところまで覚えているが、その後意識がなくなった。

気がつくと店長さんが「だいじょうぶですか」と声をかけてくれている。胸がムカムカしてとても気分が悪い。意識は徐々にはっきりしてきた。

口がカラカラになっている。座席の背が倒してあったが、店長婦人?が水を持ってきてくれたので、元に戻した。体を起こしてなんとか飲む。台に乗せていたはずの足が下に落ちている。

「救急車を呼びました。」とのこと。この状態じゃ仕方がないなあ。

しばらくすると、救急車の音。隊員が三名店に入ってきた。一番年配の隊員が「どの人ですか。」とたずねた。

どう観ても私でしょ。

なんとか立つことができたので、店の外の担架まで歩いていく。雨が降っている。自分の傘を探して似ているのをとったが間違っていた。すでに店長婦人が用意してくれていた。コートなども含めて「こちらです」と渡してくれた。若い隊員さんが預かってくれる。


「他に忘れているものはない?支払いは?」年配の隊員さん。

「いいです」店長婦人。


担架に横たわったが、結構濡れてる。しかし、雨が降ってるし、この際あまり贅沢は言えない。横になれるだけでも助かる。結構人が多い西田辺の交差点を担架に乗って運ばれる。サン・エ・トワールの前を越えて横断歩道あたりで救急車に担架ごと運びこまれる。生年月日、住所、名前、電話番号を確認される。依然として気分は悪いが、意識ははっきりしている。3月3日生まれだといったら「えらく残念な誕生日だねえ」と年配の隊員。たしかに。
阿部サダヲみたいな顔をした若い隊員が、担架の横に乗り込んでくれて、具合を尋ねてくれる。年配の隊員が病院と無線連絡。状況を伝える。「意識はクリア」とか言ってる。「東住吉森本病院に運ぶけど、患者が多くて少し待ってもらうことになるかもしれない。」とのこと。

救急車がが発車した。血圧をモニタする右手の人差し指につけられている。依然として気分が悪い。しばらくして病院に着いた。多分10分もかからなかったのだろうが、ずいぶん長く感じた。

担架で病院の玄関を入り、病院の職員が用意した車椅子に座った。荷物を脇のベンチに置いてくれた。しばらく待って下さいとのこと。気分は悪いが、我慢するしかない。しかも、トイレに行きたくなった。ふらふらしながら近くにあったトイレに向かう。荷物を放置できないので、持って行く。私がいなくなったので、救急隊員が心配していたようだ。

トイレを出るとちょうど名前を呼ばれた。阿部サダヲ隊員が「大丈夫ですか」と声をかけてくれる。「ありがとうございます」と言って診療室へ向かった。