NHK教育テレビが何をすべきか提案する

縮小、分割の話もちらほらと聞こえてくるNHK。ほんとはNHKだけの問題じゃない。日本の「公共」の名前を冠す組織共通の問題があるのだ。職員だけが悪いんじゃない。もちろん、職員が悪くないわけじゃないが。組織本来の目的が不明確なまま、だらだらと続くので問題があるのだ。すべてその調子だ。

全部に話を広げるとわかりにくくなるので、NHK教育テレビの目的と、彼らが努力したときにどう評価するかを提案する。

これは極めて明快だ。NHK教育テレビの最大の目的は、日本国民の教育水準を高める、ってことだろう。知識であったり、問題解決能力を高めるってこと。もちろん対外的な日本に関する知識を広めたりっていう二次的なものもあるだろうけど、とにかく大部分は日本国民の教育が問題のはずだ。さすがにこれに反対されはしないだろう。

これは、報道の公共性なんて胡散臭いものに比べて、とってもわかりやすい。ある意味NHKの職員の中でも教育テレビの担当者は客観的な指標で測って評価してもらうには有利な部門にいるということだ。おめでとう。
なぜかって、たとえば国際学力調査なんてのがあるのだから、これで測ればよいのだ。もしくは、TOEICのようなテストの国別平均点でもいい。ただ、一つや二つだと偏るから、国内のいろんなテストも評価の指標の中に入れたらいい。とにかく、いくつかの指標を用意して、それが上昇すれば、NHK教育テレビは目的を果たしているから評価する。もし、下がっていたらマイナス評価。それでよいのだ。複数の指標を組み合わせて、多くの人間が納得できる妥当な国民の「教育」レベルの数値化をおこなって、それを職員の評価指標に使うのだ。ボーナスにしても昇給にしても。

もし点が上がったとして、教育テレビを活用して点が上がったかどうかわからないじゃないか、という話もあるだろう。
しかし、なにかの結果を起こした原因のすべてを正確に把握できるわけがない。特に「公共」の施設や組織のミッションの達成度合いを客観的に正確に調べることは不可能だ。また、点が上がってるなら、別に教育テレビがどうであろうといいじゃないか。

そして、今がそうだけど、国際的な学力テストでもいろんな分野で地盤沈下している今、こういった評価指標を「公共性」のある団体に課すのは大事。目的はNHKの社員を食わすことではなく、日本の教育レベルを上げることなのだ、っていう当たり前の事実に気づくだけなんだけどね。

そんなたいそうな目標を与えられて困ると言うかもしれない。それは「公共」を謳うことを拒否してるわけだ。それなら、民間の教育機関になればいい。私立大学や予備校や塾は、最近少し話題の特別予算みたいな受信料なんか集めずに、自分でお客さんをつかまえて食ってる。もちろん補助もあるだろうけど、すべて丸抱えじゃない。そのかわり、あんまりでっかいことは言わない。でっかいこと言って金をみんなから集めるなら、国全体を見据えた結果責任を持つべき。それだけのことだ。

まとめるとこういうこと。

  • NHKは、比較的客観的と思われる学力検査の国際比較の結果を指標として評価を受ける。
  • 指標は一つだけだと偏るので、複数を組み合わせる。そして、多くの人間が納得できる妥当な国民の「教育」レベルの数値化をおこなう。
  • 「評価」は職員のボーナスや待遇に直結させる。

視聴率を気にして、アイドルを番組に出したりするのはやめて、本気で国民のことを考えた放送、そしてそれを取り巻く教育環境の整備をやる義務があると思うぞ。NHK教育テレビは。テキストの売り上げで天下り団体のOBを肥え太らせたりするんじゃなくてね。