ローレライを一応全部観る

うーん、面白そうな題材なのだが、正直映画に入り込めないなあ。映像については、それなりなんだが、やはり脚本がダメかなあ。セリフがダメだなあ。潜水艦の乗組員の髪の毛の長さも気になるし。もう、当然丸刈りだと思うんだが。

多くの人から突っ込まれているシーン。落とした野球の球を取ろうとして手が引っかかって取れなくなって、甲子園球児のなりそこね(面倒なので以下「球児」)くんが見殺しになるところ。あれは、たしかにずさんだよなあ。他のブログ等を眺めてみると、ああいうときは骨を折ってでも取り出す、とか、軍刀で手を切り落としてでも命を救うほうがいい、なんて意見も書かれてるけれど、私は握っているボールを放せば手は抜けたと思うんだよなあ。パニックになっていて、そこに居合わせた妻夫木くんも、本人も思いつかなかっただけなのでは。

球児「手が抜けない。もういいんだ。さよなら」
妻夫木「うう...すまん!」ガチャン!
球児「あ、抜けた。ボール放したら抜けた。」
妻夫木「もう、扉閉めちゃったよう」
役所「注水開始!」
球児「野球は得意だが、水泳は苦手なんだよぉー、ごぼごぼごぼ」

そこまでギャグにしてくれれば、笑えるんだけど。どちらにせよトンマにもほどがある。野球のボール落としたやつも、ああいうシチュエーション考えた人も。

宮崎駿の「天空の城ラピュタ」へのオマージュも見受けられたが、この作品の中でオマージュされてもあんまりうれしくないと思う。
戦争とか戦闘シーンを描こうとしたとき、バックグラウンドの知識が映画の表面に出てくる数万倍あって、第二次世界大戦の独ソの戦車による局地戦闘からそれらを集めた全体的な戦況にいたるまで頭の中で繰り返しシミュレートしちゃってるような宮崎駿のような人じゃないとリアリティを出すのが難しいってことなんだろうなあ。
樋口監督の作品が、どこか私も同世代として体験してきたさまざまな作品の縮小再生産になる傾向があるような気がして残念。リメイク版「日本沈没」もおして知るべしかなあ。

人生のほぼ半分を終えた人間としては、この映画は観る必要なかったな、という感じ。

ただ、この作品についての感想を探していて、映画に関する興味深いブログを発見した。

http://blog.livedoor.jp/kagome_2005/

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