戦争報道


たぶん著者の意図とは違うのだろうが、正直言って一番面白いと感じたのは、電通共同通信時事通信の三社が、以前は一つの会社だったという歴史の経緯の部分だ。

記事配信と広告を組み合わせた通信社としてビジネスモデルを作り上げた日本電報通信社(電通の前身)だったが、戦時の国策的な傾向の強い聯合(日本新聞聯合)との合併を半ば強制された。仕方なく、広告代理店の機能だけを「電通」として残し、通信社としての機能は聯合と合併して「同盟通信社」になった。同盟通信社は戦後自主分割することでGHQによる完全解体を免れた。このとき新聞や放送向けの共同通信と、その他メディアや経済面を前面に出した時事通信に別れたのだ。

詳しい事はWikipediaにもちゃんと記述されているけれど。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%9A%E4%BF%A1%E7%A4%BE%E3%81%AE%E6%AD%B4%E5%8F%B2#.E6.97.A5.E6.9C.AC.E3.81.AE.E9.80.9A.E4.BF.A1.E7.A4.BE.E5.8F.B2

この歳になるまでそんなこと全然知らなかった。

客観報道を標榜する新聞に記事を配信する通信社と広告社がその生まれから一体だったことは、現在の日本のマスコミのあり方にも影響しているのではないだろうか。

戦争報道 (ちくま新書)

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