今後はどの聖火リレーも抗議の場になるだろう

オリンピックの聖火リレーについての報道がようやく終息した。日本のマスコミは、半ば他人事として報じている。一部の報道は、遠慮なく中国の悪口を言える機会ができた喜びが伝わってくる気がした。これはあくまで主観的なものだろうけれども。ただ、私は中国にもオリンピックにも興味がないので、別のことを感じていた。

今後、日本がオリンピックをやるはめになったら、聖火リレーは確実に「捕鯨反対」「従軍慰安婦への謝罪」といった運動の標的になるだろうな、ということだ。

さらに、それは日本に限らず、オリンピックをやるような国であれば、少なからずこういった内外の問題というのがあるわけだから、すべての聖火リレーが今回のようになるのではないか、ということになる。次回イギリスではどうなるだろう。イラクに対してはアメリカと一身同体だし、アイルランド問題もある。自爆テロや爆弾テロが聖火リレーを標的にしなければいいと願うだけだ。冬季オリンピック開催はカナダのようだが、カナダにはこの手の問題が少ないのだろうか。いや、たぶん何かあるに違いない。日本の捕鯨だって、我々から見たらたくさん行われている漁業の一品目にすぎないのに、あの様子である。フランス語系の地域の独立問題が出たり...はしないだろうが。

とにかく、今回の中国オリンピックにまつわる騒動で、パンドラの箱の蓋があいてしまったのは事実だろう。オリンピックはこれでまた世知辛さを増し、のんびりした大きめの体育大会としてのあり方から、さらに新たなへんてこなものになってしまうだろう。だから、もう別にやんなくていいじゃないか、と思うのだ。大阪に住んでいる私にとっては、住民税の相当額がオリンピック誘致の名目で一度も使わないような辺鄙な場所にある無駄に立派な体育館だとか、IOCの委員への付け届けや接待に使われたわけで、直接的な被害を被っている。同じ様な被害者を増やさないためにも、メディアと土建屋ばかりが儲かるあんなイベントやめるべきだ。