大文字S症候群

S をなぜか大きく記述してしまう人々がいる。私はこういう人たちを「大文字S症候群」と呼びたいと思う。「頭文字D」とは何の関係もない。具体的な症状は、こんな感じ。

似たような症状に「単語さびしがり屋さん症候群」がある。

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単語を分かち書きせずに、どうしてもくっつけてしまうのだ。ひとつの固有名詞なのに、単語どうしでいがみ合っていないで、いっしょにいようよ。さびしいじゃん、ということなのだろうか。

この二つの症状は、同じクランケに発生することが多いように思う。ただ、後者は非常に広く蔓延しており、花粉症と同じように、もはや、特別な一部の人々だけが患うものではなくなっているように思われる。

あと、インターネット商用黎明期には「ネット逃亡症候群」も存在した。

ネットスケープ」を「ネット・エスケープ」と読んでしまうのだ。インターネットみたいなものから逃げ出したい、という深層心理が働いていたのだろうか。この原因となるウイルスは、すでに絶滅させられたと思われる。というか、Netscape 自体が WWF 指定の絶滅種になりそうな勢いである。いや、勢いがないから絶滅するのだが。

ネットから走って逃げようとした人々が「ネット・ランナー」になったわけではない…と思う。ネット・ランナー、という響きは、パソコン黎明期にさんざん遊んだゲーム「ロードランナー」を思い出させる。ロードランナーは、敵よりすばやく走り回り、地面に穴を掘って敵を埋めて、軽々と頭上を走り抜けるという技を持っていた。雑誌「ネットランナー」の特集を読んで、WinMXWinny の使い方を覚え、警察やうるさい著作権中抜き団体の頭上を走り抜ける様子が、そういったロードランナーの活躍と似ているような気がしないでもない。ただ、自分の掘った穴に落ちて埋まってジ・エンド、というのもロードランナーにありがちな死に方だった。「パキッ」みたいな軽い効果音とともに死んでしまうのだ。くわばらくわばら。