岡村靖幸ライブ Zepp Osaka はじまった

座って待ってた私たちはいいが、一階で立ちっぱなしの人々はどうだったんだろう。私が見てるかぎり、三分の一くらいの人が開演前に貧血で倒れて担架で運ばれていっていたようだ。いや、それは嘘。担架は見えなかった。倒れた人はそのままでみんな踏んづけながらライブがはじまった。いや、それも嘘。そんなことはありません。

いつものオープニングだ。薄めの幕に舞台側から光を当てて、そこで踊るダンサーの影を映す。この時点で、その細身の影が岡村ちゃんのだと勘違いする場合がある。前回の Zepp 大阪の時がそうだった。ずいぶん前のシアタードラマシティーのときもそうだった。が、もうほとんどのファンは引っかからないだろう。

疑い深そうに舞台を見つめる1,000人以上の観客の前に、岡村ちゃんが登場。ああ、進歩している。体重が減ったかどうかはわからない。しかし、ピチピチのピーコートを着て、体の膨張をより誇張してしまうような真似はもうしていない。さらに、今回の工夫は髪型だ。もともと身長が3メートル近くある岡村ちゃんだが、髪を立たせて頭の上1メートルくらいまで伸ばしている。体の幅と、髪のてっぺんまでの身長を比べた場合、錯覚なのかもしれないが、日本人の標準体型くらいに見えるのである。つまり、身長2メートルで体の幅が1メートルだったら太って見えるが、身長4メートルで体の幅が1メートルだと標準体型に見えるだろう。そういうこと。どういうことやねん。スタイリスト偉い。ピーコートの時のスタイリストは死刑。同じ担当者だったら、上半身死刑、下半身国民栄誉賞である。執行猶予で、逆も可能としよう。

ダンサーたちも身長は高いはずだが、身長が3メートルある岡村ちゃんの前では小人同然。白雪姫と七人の小人に見えてしまう。また、ダンスの様子も、ファッションも似ても似つかないが、氣志團のバックダンサー「微熱DANJI」にも見えてくる。不思議なダンサーたちだ。

ライブ開始直後の盛り上がりはすごかったが、20分経たないうちに、ほとんどの人がスタミナ切れしてた。あげていた手が下がっていく。瞬発力と、その後のスタミナ切れ状態が K1グランプリの曙を見るようで痛々しい。これだけ負け続け、相手のランクを落とし続けてたら、次はテコンドーの岡本さんくらいが相手になるだろう。そしてまた負ける。それはそれで観たい気がするが。特に、一階左前方の客席に疲労の色が濃く、すでに限界を迎えている様子がはっきりとわかる。岡村ちゃんも考えてやれよ。ファンも30代後半が増えてきてるんだから、オールスタンディングは辛いだろ。どうしてもオールスタンディングにするなら、建蔽率60%くらいに抑えて、会場後ろには、リハビリセンターと、足裏マッサージ、タイ式マッサージのお姉さんと仮眠室、さらに老人ファンのための特別養護老人ホーム「だいすき」を用意すべきだ。それでも 50%くらいはライブ途中で脱落して帰っていくぞ。このままだと。

そうはいいつつ、紅白歌合戦にでるものとは違う心のヒット曲を連発させたライブは盛り上がりのうちに進んでいく。
すでに、筋肉中のエネルギーをすべて使い切り、クエン酸回路によって作られたまさに身を削ったエネルギーを使って飛び跳ね、手を振り上げる信者たちが10%。すでに、レースから脱落して、オリンピック途中リタイヤのラドクリフ状態。泣きながら、ライバルが飛び跳ねるのを見つめている敗残兵が80%。ラドクリフ君といえば、ハリーポッター最新作、売れ残り続出らしいね。ふーん。そして、関係なく二階でマイペースで楽しむ人々が10%。悲喜こもごもであります。