F1 ブラジル 予選

B-A-Rというチームは、出来立てのころから自分のチームのドライバーが大クラッシュを起こした時にスタッフがニヤニヤ笑っていたり、ピットインするたびに必ず順位を落とすような戦略しかとれなかったりと、どうも共感できなかった。2004年はライバルが自分でコケてくれたおかげで偶然コンストラクター2位を獲得できたが、明らかに自分の力ではなかった。どこか応援しにくいチームだった。

今回の予選を見て、やはりこのチームは私には理解不能だと感じた。前回のペナルティに加え、フリー走行でのギアボックストラブルを原因とするエンジン載せかえによるペナルティで、予選の意味がなくなった佐藤琢磨が予選タイムを出さずにピットインした際に、なぜかピットの奥で大きな拍手をするスタッフ。さらに手前のスタッフも終始ニヤニヤ。テレビに映ったことを意識しながら平気でじゃれあったりしてる。
遅い?ドライバーを追い出せることがはっきりして喜んでるのか?それとも、黄色人種のドライバーのために働かなくて済むようになることに対する心の奥から発した歓喜の表現なのか。もし本音がそうだとしても、こんな状態で取るべき態度だろうか。もしも同様の状態がフェラーリマクラーレンで発生したとして、あんなことをやるスタッフがいるだろうか。
お払い箱になることがわかっているにしても、今から3戦。とにかくこのドライバーに戦ってポイントをとってもらえるようにチーム全体でうまくやるのがプロフェッショナルじゃないのかな。あれは何のアピールなのか。

今回の第3期ホンダの動きは以前から不可解だった。地道に活動していた無限ホンダを踏みにじって、チームとして参加するといいながら直前で撤回。参入の仕方も含め、評判が悪かったB-A-Rと組むが、当初はまったくダメ。佐藤琢磨を乗せたが、本人の失敗以上にエンジンが壊れたり、チーム戦略がひどかったり。
今年の最初もエンジンブロー、それからチームの大失敗で数戦を失わせた挙句、佐藤琢磨を乗せ続けることも出来ず、自分たちが引っ張って来たジル・ド・フェランの同郷のバリチェロにシートを進呈する。たしかにホンダと佐藤琢磨が互いに足を引っ張りあった感はあるけどね。

これまでもよくわからないサポートのしかたで、才能のあるドライバーの芽を摘んできたホンダ。日本人ドライバーを中途半端に国内のプロモーション用に利用した挙句、最後の最後でサポートせずに放り出してきた病気が再度発病したようだ。

とにかく、自分のチームのドライバーが予選を走れずにピットインする際に笑いながら拍手するようなチームと縁が切れた佐藤琢磨におめでとうと言いたい。こんなチームのリザーブドライバーなんかすることないよ。そんなチームに多額の出資をして、自国のファンにいやな思いをさせ続けるホンダの車を私は一生買うことなだろうな。

MotoGP でも加藤大治郎を殺しちゃうし、ホンダって自国のドライバーの才能をうまく伸ばさず、最悪の状態で摘んでしまう。トヨタみたいに明確な目的、欧州でのシェアアップのために割り切って参入しているチームに比べて、何がしたいのかわからず、気持ち悪い。なんのためにレースやってるんだろう。彼らは。しかも、どこかB-A-Rのチームスタッフにもバカにされてる。いいようにされて、黙ってうつむいて仕事してる。ホンダってそういう会社なのかね。

おかげで、最近 F1 というカテゴリ自体が嫌になってきた。前回のスパでのミハエルと琢磨の接触に関する報道も、どこか奥底にある人種差別的なニュアンスがうっすら透けて見えるような気がして不愉快。日本GPの際にピット上の招待席に入れてもらったときも、要所要所でどこかそういった印象をうけたもんな。欧州の多くの人々にとっては油まみれになって働くエンジニアなら黄色人種がやってもかまわないけど、最新のメカニズムを操作するヒーローを黄色人種がやるのは受け入れがたいんじゃないかな。

黒人の農夫には優しく出来る白人医師が、黒人医師にはどうしても冷たくしてしまう、というテーマの回が「大草原の小さな家」にもあったもんな。

そんなことさえ思い出してしまう。罪だよな。ホンダ。ホンダのせいじゃないかも知れないけどね。