ターミナル

両手に銃を持って、ジャンプしながら撃ち合うシーンのない映画では、20分以内に睡眠の世界に旅立ってしまうヨメが、なぜか最後まで楽しそうに見てしまった奇跡的な作品。しかし、スピルバーグに残念なニュースがある。映画自体のおもしろさではない可能性が高いのだ。

ヨメは空港が好きだ。とりわけ、免税店が好きである。この映画は、太りすぎのトム・ハンクスが、空港の中をうろうろする映画だ。しかも、米国側に出られないので、免税店の間をうろうろし続ける映画だ。免税店街の中に住んでようなもんである。

免税店好きのヨメはたまらない。ヨメはトム・ハンクス演じるビクターのバカなんだか賢いんだかわからない様子にイライラさせられながら、背景の免税店を眺めて至福の時間を過ごしたようだ。

なんだか突っ込みどころの多い、キャラクターの造形にも、ストーリーにもムリのある作品で、名作では決してないけれど、強烈な悪役がいない分、まったり観ることができて、まあ、いいんじゃないかという作品だったなあ。