矢野顕子の悲劇

やっぱり矢野顕子はロックなんだと思う。
もちろん、ちょっと、というかかなりジャズなんだろうが、どう聴いてもクラシックではない。
でも、観客はちょっとクラシック気分。ノリノリの曲でも固まっている。でもさ、違うだろ。ロックはもともとダンスのための曲だ。舞踏音楽だ。そして、矢野さんも、それがわかってる。だからこそ、ピアノのソロの希望が多いのに、ドラムとベースを入れてノリノリでグルーヴしまくったツアーやってたんじゃないか。今回も「BAKABON」「おおパリ」「電話線」「ごはんができたよ」「Super Folk Song」などは、本人も体を激しく動かしながらノリノリで演奏して歌ってる。もともとそういう曲なのだ。しかし、観客は座席で微動だにしない。それってどうだろう。そりゃ、ま、人の好き好きではあるが。
こざっぱりしたフジコ・ヘミングじゃないんだからさ。
ステージ上で激しく「ロック」してるのに、観客席のほとんどが地蔵が座ってるみたいになってるのは、なんだか違和感があるんだよなあ。というか、矢野さんどう思ってるの?