イッセー尾形 大阪市立芸術創造館

大阪市立芸術創造館でおこなわれたイッセー尾形ライブに行った。谷町線天王寺駅でヨメと待ち合わせてそのまま地下鉄で千林大宮へ。谷町線で東梅田から北に来たのはこれが初めてだ。ヨメもそうだという。
千林大宮の近くは、独特な地名の駅が多い。ひとつ梅田側が「関目高殿」。「せきめたかどの」と読む。もうひとつ手前が「野江内代」、「のえうちんだい」と読む。どちらも人の名前みたいだ。「拝啓、せきめたか殿」って感じ。「おたか」さんだ。「野江内代」は、そのまま「のえうちよ」さん。

イッセー尾形公演の演目は次のとおり。正式のタイトルはわからないから、雰囲気で勝手につけたもの。

  1. 青年団
    • 山奥の村に、都会から集団お見合いのためにやってきた女性を前に、青年団副会長が今は亡き「ロバート(ペットの猪)」や、成人式でもらえる「夜這い券」、そして「仙台」を目指した家出などの思い出を熱く語る。
  2. ウエイトレス
    • ドイツの日本料理店のウエイトレス。まさに個性的な彼女が遅番の同僚ウエイトレスに関するデマを客に向かって話しまくる。
  • 焼畑
    • 若いカップル。自分の日記を読んでもっと自分のことを知ってくれと女性に強要する男。趣味は焼畑。ブログに焼畑のことを書いたら、見透かしたようなコメントがついて腹を立てる。
  1. 温室満月
    • さなえちゃんに会うため北海道にやってきた男。温室で会うがうまく自分の気持ちが伝えられず、ホテルで作ったドンキホーテの紙細工を見せる。気分を悪くした彼女は席をはずす。戻ってきた彼女と男は、満月を見ながら手をつなぐ。
  2. 中澤肉店
    • たぶんトンカツの店「とんとん」。シャッターの前で肉を手に持ったままうろうろする中澤。インドの呪術師に弟子入りしていた過去を持つ彼は、菜食主義だったが呪術師と袂を分かち、帰国してからその反動で肉屋になった。商店街を通りがかる人々に話しかけるが誰もまともに取り合ってくれない。
  3. 修学旅行生が広島に帰る
    • 駅の待合室で新幹線を待つ修学旅行生。広島に戻るところだ。土産は自分用のおもちゃの刀だけ。ギリギリになって八つ橋を買いに行きたがる教師に止められる。修学旅行の経験にハイになった彼ははしゃぎまくる。
  4. 早朝ライブ
    • 住宅地の早朝。初老を迎えたフォーク世代の男性たちが周囲の迷惑を顧みずライブをおこなう。小道具に不具合があり、うまく使えないハプニングあり。
  5. 日本アルプスに登ってしまったサラリーマン
    • 背広姿で携帯電話を使って大きな声で話しているサラリーマン。元札幌支店長の上司高遠(たかとう)氏に忠誠を従ったが、彼がスキャンダルで会社を辞める羽目に。自分の立場を心配しすぎて背広姿で日本アルプスに登ってしまう。キャンプにやってきた若者からカレーライスをご馳走になりながら、自分の身の上をとうとうと語る。
  6. 英語教師
    • 典型的な英語教師。オリエンテーリング協会の理事職に就いたことを自慢したり、学校のビデオ編集係になったことを嬉々として語っているうちに授業時間は終わってしまう。

青年団は好きな作品。特にロバートのくだりはとても面白いのだが、今日は少し不調か。ロバートのパートが短めだったのも残念。最後の英語教師は最近の公演で観た記憶がある。板書を消すときに、逆の腕も大きく振り回すのを観て、たしかにそういう教師が多かったなあと改めて思い出して笑ってしまう。

今日の公演は二週間近く続ける公演の初日だったこともあって、若干硬さがあったように感じた。気のせいかもしれない。

はじまる前に手洗いに行ったら、私の一足先にトイレから出て行く白いランニングシャツの、痩身の男性の後姿を見た。なんだかとても疲れた歩き方だった。そのまま楽屋側に歩いていったので、もしかしてと思っていたら案の定登場したイッセーさんはそのランニングシャツを着ていた。