交渉人 真下正義

とっちらかってて、焦点のぼやけた映画。
「踊る」シリーズは、初代テレビシリーズがいい。警察=役人という構図をはじめて明確に打ち出したところが肝だった。それ以外の部分は、意外と古いタイプの人情ものだった。
映画第二作目や、本作を含むスピンオフ作品に関しては、警察=役人という構図に基づくリアリティのかけらも感じられない。

前半で地下鉄を使った理由がわからないし、「交渉人」が具合的にどんな権限を持っているのかもわからない。具体的な各キャラクターの描写も中途半端。いや、レベルが低すぎないか。驚いた。
織田裕二が、映画二作目以降このシリーズに対して距離をとっているのは卓見だろう。