元毎日新聞の専務である著者がさまざまな具体的な数字をもとに新聞社の将来を憂い、生き延びる道を模索した記録だ。どうも、営業改革をやろうとして失敗した方のようだ。捨て紙だの、押し紙だのの業界用語もわかりやすく解説し、しかも一部推測も入れながら枚数などを詳細に示しているところがさすが腐っても新聞社出身(この場合、新聞社が腐っているという意味)である。
不幸なことに、日本のマスコミは新聞社も放送局も系列化した上で官僚と癒着して既得権をむさぼっており、自浄作用は望めない。かといってこのまま放置してビジネスモデルの限界が表面化しても、官僚などの権力との癒着を今よりも進め、握っている既得権を最後まで活用しようとするだろう。というかそういった傾向は明確になっている。
- 作者: 河内孝
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/03/01
- メディア: 新書
- 購入: 4人 クリック: 93回
- この商品を含むブログ (105件) を見る