ガンダム

私にとってのガンダムの思い出を書いておく。どうせ独り言だし。

主題歌
はじめ聴いたときなんて下手なんだと思った。歌手は音痴かと思った。エンディングもたぶん同じ歌手だが、バラードなのでさらに下手に聞こえた。しかもこもったような声で、アニメーションの歌っぽくないキレのなさだった。
ロマンアルバム
ガンダム安彦良和による立ち姿の絵以外、田舎にはほとんど情報がなかった。放送もされなかった。しばらくして夕方に放送されるようになった。すでに出ていたアニメージュ増刊のロマンアルバムを購入して、エピソードガイドと並べて見比べながらはじめての放送を見たものだ。
光瀬龍
ロマンアルバムの中で、アンケートを取っており、回答者の一人がSF作家の故光瀬龍。比較的好意的なコメントが多い中、辛口で「ニュータイプなんてネーミングが陳腐だ」とかボロカスだった。自分が気に入ってるものをクソミソに言われて当時はいやな気がしていた。しかし、100点満点で何点つけるか、という問いに対して50点くらいつけていた。今考えるとそれほど悪くない点だ。だいたいまじめに回答してくれること自体ありがたいことだ。このアンケート部分は繰り返し読んだ。100回くらいは軽く読んだはず。池田憲章氏はすでに今と同じキャラクターを確立していた。誉めまくる。ひたすらいいところを見つける技はすばらしい。アニメ、SF界の渡辺篤史。今話題の「ビーバップ・デビルマン」を誉めることはできるのだろうか。
絵のひどさ
途中からひどい。絵が汚くなり、動きもぎこちなく。やたらガンダムの合体シーンを使いまわす。まるで別の作品。絵が好きな人間にとってはきつかった。泣きそうだった。後半は。
モビルスーツ
元ネタとなったハインラインの「宇宙の戦士」の日本版文庫に掲載されていたイラストはクラッシャージョウの作者でもある高千穂遥氏がメンバーだったスタジオぬえ作だった。スタジオぬえは、宇宙戦艦ヤマトでもメカデザインを担当していた。ヤマトには、豊田有恒等のSF作家がブレーンとして加わっていたわけで、SF作家が直接間接的にこれらエポックメーキング的なアニメーション作品に関わっていたんだなあ。エイトマン平井和正だし。ちなみに、英語版の「宇宙の戦士」の表紙絵などを見るとビックリする。パワードスーツがかっこ悪い。ものすごくかっこ悪いのだ。洋服のハルヤマで8,000円で買った背広を宇宙服にしたみたいな出来。比べて「スタジオぬえ」のデザインかっこよすぎである。それに、たんなる絵じゃなくて構造図にもなっていて、わくわくした。文庫中央あたりの見開きのイラスト、今だに鮮明に覚えてる。加藤直之が描いてたのだろうか。人物はそれっぽかったが。