さすがにあるだろうと思って探してみたが、実は「英数文字」だけを半角に統一する方法が見当たらないのだ。
「文字種の変換」を使うと、次の9種類の変換を行うことができる。
- 文の先頭文字を大文字にする
- すべてを小文字にする
- すべてを大文字にする
- 単語の先頭文字を大文字にする
- 大文字と小文字を入れ替える
- 半角
- 全角
- カタカナ
- ひらがな
前半の五つの選択肢は「あまり使わないだろうな」ということも含めてどんな処理なのか意味はわかる。
しかし、後半の四つの表記は、対象がはっきりしないので自分の頭で補う必要がある。不親切というよりも、個人的にはバグに近い仕様の不備だと思う。
さて、それぞれどんな処理がなされるのだろうか。
選択肢 | 対象 | 動作 |
半角 | 英数文字+カタカナ | 半角文字になる |
全角 | 英数文字+カタカナ | 全角文字になる |
カタカナ | ひらがな | カタカナになる |
ひらがな | カタカナ | ひらがなになる |
一応、必要な変換メニューは網羅してる、と勘違いするかもしれない。
しかし、最初に書いたように英数文字だけを「半角」「全角」に変換する方法はないのである。
そのため、全角文字の不細工な英数文字を半角の文字にしようとするだけで、カタカナまでがあのすべてのコンピュータ上の文字の中で一番醜い半角カナになってしまうのだ。
マイクロソフト社のTips(http://www.microsoft.com/japan/users/tips/word/143.mspx)によれば、どうも彼らは、いちいち選択対象の文字列を選んで、この変換の処理を実施することを前提としているようだ。
コンピュータが唯一人間に比べて優れている「一括処理」をさせず、あえて人間にちまちまとした作業をさせた上で、コンピュータ様がバカでもできるような処理を少しだけやる、という不思議な設計になっているのである。根本的な設計思想に問題があるとしか思えない。