最近見た映画

引っ越ししてデジタル放送が受信できるようになった。スターチャンネルの16日間お試し視聴もできたのでその期間に放送された映画のかなりを見た。

  • DOOM
    • 昔会社でゲームしてたなあ。ゲームと同じ目線を再現したシーンは面白いが、それ以外は普通のゾンビもの。短いことはいいことだ。
  • 眺めのいい部屋
    • 昔の英国貴族階級のバカみたいな日常を描いていて、見ていてイライラ。お前らもう少し社会のために働けよ。ヒロインは寸足らずのしゃくれ顔だし、何が言いたい映画なのか不明。
  • アマデウス
    • VHSのビデオも持っていたのだが、HD(High Definition)放送なので興味深く観た。内容はまあ、別に変わらないよなあ。なぜか「バベットの晩餐」を思い出す。バベットは一流のシェフだったが、その贅をつくした料理の真価を判断できるマリー・アントネットをはじめとする王侯貴族は革命によっていなくなってしまった。バベット自身は革命に共感しながらも、自分の技を味わいつくすことのできる貪欲な舌を失った。自分自身の最大の理解者は、憎むべき相手でもあった。このあたり、どこかモーツァルトサリエリの関係に似ていなくもない。その事実に自覚的な側が完全に逆転してはいるが。ただ、その作品の素晴らしさはバベットの料理にありついた無知な田舎者の老人たちも、モーツァルトの作品を聞いた音楽の素養のない王や庶民も、完全ではないにせよ感じ取ることはできるのだ。創作者にとって深いテーマだと思う。
  • ハイ・テンション
    • フランスのスプラッターホラー。Haute Tension みたいな原題だった。そのまま英語にしたわけね。オチもそれなりに気が利いていて、フランス映画のかすかな香りは漂ってくる。しかし、あくまで血の匂いだ。殺人というか、人間の体を破壊する描写は下手をすると米国の作品よりもエグい。
  • テキサスチェーンソービギニング
    • なんだかスプラッター映画ばっかりやってるなあ、スターチャンネルって。やたらと人体を切り刻み、物体に変更する過程を描写したり見たりすることの快感というのがイマイチわからない。
  • ソラリス
    • まあ、原作もたいがいだけど、世俗的にしてへんてこなラブストーリー風味を入れるのも賛成できない。
  • フォレスト・ガンプ
    • ひたすら能天気に楽しく過ごして栄光のアメリカンドリームを達成したフォレスト・ガンプ、という見方をする人がいるらしく驚愕する。いくら金持ちになっても、戦争の英雄になっても、フォレストはスポイルされた人間だ。オスメントくん演じる息子に初対面した際の動揺ぶりは、息子に自分と同じ人生をたどらせてしまう可能性があることへの恐怖の大きさを表している。何をしても満たされない悲しみの穴が、胸に大きくあいているからこそ、ただひたすら大陸を何度も走って往復したり、ピンポンに没入したり、亡き友人の言葉だけを頼りにやたらとエビをとりまくるのだ。そういう人間存在の根本的な悲しさを読み取れない人は、よっぽど幸せなのか、胸じゃなくて頭が空っぽなのか、どちらか、もしくは両方なんじゃないか。私が好きなのはフォレストのこんなナレーションだ。「軍隊には僕はなぜかぴったりはまった。」軍隊に対するこれくらい辛辣な皮肉はないよなあ。
  • ミンボーの女
    • 私は伊丹十三を全面的に肯定する。昔はよかったとか言わない。いいじゃん。面白いじゃん。
  • スーパーの女
    • よくできた話だと思うけどなあ。伊丹作品の中ではタンポポの次位に好きかも。
  • マルタイの女
    • オウムのようなあの新興宗教の変なリアリティといい、冒頭の殺人シーンのエグさといい、すごいと思うんだけど。